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増大特集 難病研究の進歩 Ⅲ.腎・泌尿器
多発性囊胞腎
著者: 河野春奈1 堀江重郎1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学
ページ範囲:P.444 - P.445
文献購入ページに移動 常染色体優性多発性囊胞腎は,両側の腎臓に囊胞が発生・増大し,徐々に腎機能低下が進んでいく進行性の疾患である。原因遺伝子はPKD1 ,PKD2 で,腎臓以外にも肝囊胞,脳動脈瘤,心弁膜症などの全身性の合併症を来す。治療薬はバソプレシンV2受容体拮抗薬のトルバプタンのみで,腎囊胞の増大や腎機能低下を遅らせる効果があるが,病態の発生を抑えたり病状を改善させるような治療薬はいまだなく,新規治療法の開発が待たれている。また,技術的に難しかった原因遺伝子の解析が近年の技術向上により進んでおり,本稿ではこれらについて述べる。
参考文献
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掲載誌情報