文献詳細
増大特集 難病研究の進歩
Ⅳ.循環器
文献概要
肥大型心筋症(HCM)は原因不明の心肥大と突然死を来す疾患として記載されたが,遺伝性疾患であることから,多発家系を対象とした連鎖解析によりミオシン重鎖遺伝子変異が原因となることが1990年に明らかになった。その後,ミオシン重鎖遺伝子変異のない多発家系の解析や候補遺伝子解析から,筋収縮のユニットであるサルコメアを構成する種々のタンパク質をコードする遺伝子の変異も原因となることが判明した。次いで,これらの変異がサルコメアの種々の機能を障害することによってHCM病態をもたらすことが明らかになり,現在では,遺伝子変異がもたらす機能異常を是正する治療法の開発が進められている。
参考文献
. 61:41-50, 2016
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掲載誌情報