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増大特集 難病研究の進歩 Ⅷ.内分泌
家族性高コレステロール血症ホモ接合体
著者: 斯波真理子1
所属機関: 1国立循環器病研究センター研究所分子病態部
ページ範囲:P.494 - P.495
文献購入ページに移動 家族性高コレステロール血症(FH)は,LDL受容体経路に関わる遺伝子変異のために,LDL代謝に遅延を来す遺伝病である。FHは,高LDLコレステロール(LDL-C)血症,皮膚および腱黄色腫,若年性動脈硬化症による冠動脈疾患を三主徴とする1)。FHホモ接合体は,LD受容体経路に関わる遺伝子の2つに変異を認めるものであり,従来考えられていたより頻度は高い。FHホモ接合体は,幼少期から顕著な高LDL-C血症と,スタチンなどのLDL受容体経路を活性化することで効果を示す薬剤の反応性が悪い。FHホモ接合体は,急速に進行する動脈硬化性心疾患のために極めて予後が悪く,早期の的確な診断と厳格な治療が必要である。
参考文献
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