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増大特集 難病研究の進歩 Ⅹ.皮膚
神経線維腫症
著者: 戸田正博1 田村亮太1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.520 - P.521
文献購入ページに移動 神経線維腫症(NF)は,中枢または末梢神経に多数の神経系腫瘍が生じる難治性の遺伝性疾患で,しばしば皮膚病変を伴う。NF1,NF2,schwannomatosisの3型に分かれる。NF1,NF2の責任遺伝子は,それぞれ第17染色体(17q11.2)のneurofibromin ,第22染色体(22q11.2)のmerlin で,腫瘍抑制遺伝子の機能不全により無秩序な細胞増殖を来す。一方,schwannomatosisは現在なお未解明な部分が多いが,家族発生例では腫瘍抑制遺伝子SMARCB1 あるいはLZTR1 に変異を認める。現在,それぞれの疾患の病態に基づき,分子標的薬を中心に様々な臨床試験が行われており,ごく最近,NF1の治療薬として初めてMEK阻害剤selumetinibがFDAに承認された。
参考文献
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