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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻5号

2020年10月発行

文献概要

増大特集 難病研究の進歩 Ⅹ.皮膚

神経線維腫症

著者: 戸田正博1 田村亮太1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.520 - P.521

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 神経線維腫症(NF)は,中枢または末梢神経に多数の神経系腫瘍が生じる難治性の遺伝性疾患で,しばしば皮膚病変を伴う。NF1,NF2,schwannomatosisの3型に分かれる。NF1,NF2の責任遺伝子は,それぞれ第17染色体(17q11.2)のneurofibromin,第22染色体(22q11.2)のmerlinで,腫瘍抑制遺伝子の機能不全により無秩序な細胞増殖を来す。一方,schwannomatosisは現在なお未解明な部分が多いが,家族発生例では腫瘍抑制遺伝子SMARCB1あるいはLZTR1に変異を認める。現在,それぞれの疾患の病態に基づき,分子標的薬を中心に様々な臨床試験が行われており,ごく最近,NF1の治療薬として初めてMEK阻害剤selumetinibがFDAに承認された。

参考文献

. 139:625-641, 2020
. 139:643-665, 2020
. 361:358-367, 2009
. 10:5758, 2019
. 89:1215-1219, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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