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文献詳細

雑誌文献

生体の科学71巻6号

2020年12月発行

文献概要

特集 新組織学シリーズⅠ:最新の皮膚科学

自己反応性B細胞の病原性について

著者: 吉崎歩1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科・医学部皮膚科学

ページ範囲:P.573 - P.578

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 自己免疫疾患はいまだ病態に明らかでない部分が多いが,その名に冠するとおり自己免疫が病態形成に大きく関わっていると考えられている。数々の基礎的研究に加え,多くの自己免疫疾患に対する治療としてステロイドや免疫抑制薬が一定の有効性を発揮することも,自己免疫疾患における自己免疫異常の存在を裏づけている。しかしながら,ステロイドや免疫抑制薬による治療は効果が限定的である場合も多く,また,これらの治療は免疫系の機能を全般的に抑制するため,感染症などの副作用が常に問題となっている。したがって,自己免疫疾患の詳細な病態の理解と,これに基づく治療ターゲットの明確化と治療法の開発は喫緊の課題である。近年,B細胞は従来から認識されていた抗体産生能以外にも様々な機能を有しており,免疫系において中心的な役割を果たしていることが知られるようになってきた。更には,B細胞除去療法が多くの自己免疫疾患に対して有効であることが明らかとされ,B細胞が自己免疫疾患においても中心的な役割を担っていることが示唆されている。
 本稿では,B細胞に焦点を当て,自己免疫疾患において特に重要と思われる自己反応性B細胞の病原性について概説した。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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