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特集 小脳研究の未来 Ⅰ.発生発達
小脳出力の新フレームワークとしての小脳縦縞構築
著者: 藤田啓史1
所属機関: 1
ページ範囲:P.9 - P.12
文献購入ページに移動 小脳は歴史的に運動機能においてよく調べられてきた。一方で,小脳は自律神経機能や大脳の非運動機能など,多彩な機能に関与することが知られている1,2)。近年では,幅広い神経精神症状に関与することも知られている3)。例えば,小脳のプルキンエ細胞のみに異常を持たせた遺伝子改変マウスは,自閉スペクトラム障害様の行動異常を示す4)。更に,自閉スペクトラム障害モデルマウスにおいて小脳を刺激すると,刺激した部位に応じて特定の自閉症様の行動異常が改善される5)。臨床的には,小脳の刺激が統合失調症の陰性症状を改善する6)。これからの小脳研究には,運動機能に限らず,多彩な小脳機能を研究するための小脳神経回路の新たなフレームワークが求められている。
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