icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学72巻1号

2021年02月発行

文献概要

特集 小脳研究の未来 Ⅲ.システム・運動制御

大脳小脳連関と運動制御

著者: 田中康裕1

所属機関: 1玉川大学脳科学研究所

ページ範囲:P.41 - P.45

文献購入ページに移動
 小脳は神経回路の概要が早くからわかり,原理を当てはめて機能を慮り,それを実証する発見がなされるなど理想的ともいえる研究が展開された1-5)。本稿では筆者らの最近の研究6)に触れつつ,大脳小脳連関および大脳基底核と小脳の皮質下での連関をまとめ,運動制御における小脳内部モデルの働きなどを概説する。また,運動開始時にみられる大脳皮質の準備活動に小脳が重要であるという近年の齧歯類研究を取り上げる。最後に,脳にみられるモジュール性と関連づけて,多領域多細胞の神経活動と多次元の動物行動から探る神経科学の必要性を説きたい。なお,筆者らの最近の研究6)に関しては,本誌既刊の解説7)もあるため,参考にしていただきたい。

参考文献

. 202:437-470, 1969
. 10:25-61, 1971
. 33:253-258, 1982
4)Brodal A, Jansen J Ed:Aspects of Cerebellar Anatomy, Forlagt Johan Grundt Tanum, Oslo, 1954
. In press, 2020
. 100:244-258.e12, 2018
.70:238-243, 2019
. 19:2065-2077, 2009
. 25:221-235, 2013
. 880:191-197, 2000
. 8:1491-1493, 2005
. 17:1767-1775, 2014
. 9:3133, 2018
. 107:8452-8456, 2010
. 11:13, 2017
. 210:116573, 2020
. 16:203-229, 2017
18)田中宏和:計算論的神経科学:脳の運動制御・感覚処理機構の理論的理解へ,森北出版,東京,2019
. 2:338-347, 1998
. 9:304-313, 2008
. 103:506-519.e4, 2019
. 563:113-116, 2018
. 8:e49995, 2019
. 575:195-202, 2019
. 551:232-236, 2017
. 34:857-862, 2016
. 8:8324, 2018
. 9:3550, 2018
. 17:1500-1509, 2014
. 93:1049-1057.e3, 2017
. 9:1879, 2018
. 64:103-110, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?