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特集 組織幹細胞の共通性と特殊性 Ⅱ.幹細胞による組織・臓器構築:Q.発生学における幹細胞の位置づけとは?
細胞系譜特異的な前駆細胞に基づく腎臓の再構成
著者: 小林明雄1 西中村隆一1
所属機関: 1熊本大学発生医学研究所腎臓発生分野
ページ範囲:P.135 - P.140
文献購入ページに移動ヒトの腎臓には約100万個のネフロンが存在しており,ネフロン数と腎機能の間には正なる相関があることが知られている1)。哺乳類において,ネフロンは発生期にのみ産生され,成体で新しくネフロンが作られることはない。よって腎臓内のネフロン数は,生後増加することなく次第に減少し,一定数を下回ると慢性腎臓病(CKD)となる。現在の腎臓病の治療には,主に透析と腎移植が用いられている。しかし,腎臓病患者は生涯にわたり頻繁に透析を受け続けなくてはならず,また,腎移植のための腎臓の提供は極めて限られている。現在,これらの問題の解決策として再生医療が注目されており,多能性幹細胞由来の腎臓オルガノイド作製など様々な研究が行われている。
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