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文献概要
仮説と戦略
人間は冬眠できるのか?
著者: 砂川玄志郎1
所属機関: 1理化学研究所生命機能科学研究センター網膜再生医療研究開発プロジェクト
ページ範囲:P.181 - P.186
文献購入ページに移動 一部の哺乳類は自らの代謝を低下させることで,少ないエネルギー消費量で生命活動を維持できる。このような省エネ状態は休眠と呼ばれ,数か月の休眠を冬眠,数時間の休眠を日内休眠と呼ぶ。自然界ですべての哺乳類が休眠を行うわけではなく,人間も休眠はできないと考えられている。一方で,休眠のような長期間にわたる省エネ状態を人間で安全に実現できると,臨床において生命が危機的状況にあるときに,積極的に代謝を下げることで生命予後の劇的な向上が期待できる。筆者らは人間を安全に冬眠させるための研究開発を行っているが,はたして人間を冬眠させることはできるのであろうか?
本稿では,これまでに得られてきた知見をもとに,人間が冬眠できるかどうか,そして,人工冬眠実現のために必要な研究開発の展望について概説する。
本稿では,これまでに得られてきた知見をもとに,人間が冬眠できるかどうか,そして,人工冬眠実現のために必要な研究開発の展望について概説する。
参考文献
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