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文献詳細

雑誌文献

生体の科学72巻3号

2021年06月発行

特集 生物物理学の進歩—生命現象の定量的理解へ向けて

Ⅲ.個体,進化レベル

細胞極性と仮足の動力学コンセプト

著者: 澤井哲1

所属機関: 1東京大学大学院総合文化研究科相関基礎科学系

ページ範囲:P.245 - P.249

文献概要

 真核細胞の運動性は,アクチンフィラメント形成による伸長と,ミオシンによる収縮を起源とする。これらのフィラメントが細胞膜直下において空間的に,時間的にどのように分布しているかが,細胞形状に大きく反映される。特に,細胞性粘菌,好中球などの単独遊走性能の高い細胞型では,極性形成を弱めると仮足が出現しやすくなり,逆に仮足形成が促進されると極性が強まるという関係が共通してみられる。本稿では,そのような自律的な変形ダイナミクスの性質と,その数理的表現の概略を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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