生体の科学72巻5号

2021年10月発行

増大特集 脳とからだ Ⅱ．グリアと脳の相互作用

中枢神経炎症制御とNG2グリア

著者： 片岡洋祐¹² 田村泰久¹²

所属機関： ¹理化学研究所生命機能科学研究センター細胞機能評価研究チーム ²理化学研究所理研-JEOL連携センターマルチモダル微細構造解析連携ユニット

ページ範囲：P.416 - P.418

　うつ病や認知症の発症・進展，慢性疲労症候群や感染症での疲労感の誘発など，様々な病態に中枢神経炎症が深く関わることが明らかになってきた。神経炎症はミクログリアやアストロサイトの活性化により誘発されることはよく知られている。一方，神経炎症を抑制・制御する脳内の細胞についてはよくわかっていない。最近，NG2を発現するグリア前駆細胞がミクログリアの活性化を制御し，神経炎症の抑制に寄与する可能性を見いだした。

参考文献

. 9：e90950, 2014

. 55：945-950, 2014

. 585：3798-3805, 2011

. 7：42041, 2017

. 32：1879-1887, 2012