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増大特集 脳とからだ Ⅳ.内分泌系と脳の相互作用
慢性ストレス負荷と抗うつ剤による脳内モノアミン神経活動のバランス制御
著者: 那波宏之12 鬼川真紀1 難波寿明12 外山英和1
所属機関: 1新潟大学脳研究所分子神経生物学分野 2和歌山県立医科大学薬学部生体機能解析学研究室
ページ範囲:P.497 - P.500
文献購入ページに移動このように,脳内モノアミン神経系はストレス感受性や抵抗性の調節司令塔の役割を担う。一見合理的な生体防御システムに思えるが,過度の精神ストレスや長期にわたるストレス刺激は,逆に意識レベルを下げ,注意力とやる気を低下させ,漫然と恐怖・不安をあおり,血圧上昇や心拍数の調節を不安定化させ,いわゆる“うつ症状”を惹起する。従来の抗うつ剤の薬理学から,セロトニンやノルアドレナリン神経伝達がストレス調節において重要視されているが,最近の研究結果との矛盾も多い。そこで筆者らは,中脳延髄にある各モノアミン神経細胞の自律発火がどのように相互に影響・干渉しているかを探求した。その結果,安静時のドパミン神経活動が最も下流に位置して,ストレス感受性に直接的に影響している可能性が判明した。
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