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特集 新組織学シリーズⅡ:骨格筋—今後の研究の発展に向けて
Ⅱ.骨格筋組織を支える細胞の役割・応答
文献概要
骨格筋は体重の30-40%もの重量を占める,生体最大の組織である。骨格筋は単に運動器官という一面だけでなく,生理活性物質(いわゆるマイオカイン)の産生,エネルギー代謝をはじめ,全身での様々な生理現象に関与する。また,昨今“サルコペニア・フレイル”という言葉は医療現場のみならず,様々な場面で語られるようになり,国民のなかでも骨格筋の重要性は認知されつつある。骨折などによりギプス固定されて筋肉が不動化すると,筋重量の顕著な減少がみられることからも,適切な力は骨格筋の恒常性維持に重要な役割を果たすことは明らかであろう。では,なぜ骨格筋は力を感知でき,その力を筋線維の恒常性維持に変換できるのであろうか。本稿では,骨格筋が力を感知する機構と共に,骨格筋の大きな特徴である筋線維の高い再生能に着目し,筋再生過程の力感知機構の役割にも焦点をあてて,骨格筋における“メカノバイオロジー”の重要性について概説したい1)。
参考文献
1)曽我部正博(編):メカノバイオロジー—細胞が力を感じ応答する仕組み,化学同人,京都,2015
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