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文献詳細

雑誌文献

生体の科学72巻6号

2021年12月発行

文献概要

連載講座 ヒトを知るモデル動物としてのゼブラフィッシュ-2

トランスポゾンを用いたゼブラフィッシュの遺伝学—遺伝子トラップ法〜Gal4-UAS法 フリーアクセス

著者: 川上浩一1

所属機関: 1国立遺伝学研究所遺伝形質研究系発生遺伝学研究室

ページ範囲:P.591 - P.595

 遺伝子やエンハンサーの機能解析,あるいは胚が透明であるという長所を活かした細胞の蛍光ラベル実験において,トランスジェニックゼブラフィッシュの作製は重要である。Stuartらは,受精卵の細胞質へのプラスミドDNAの微量注入によりトランスジェニックフィッシュの作製が可能であることを示した1)。その方法を用いて,LongらによるGATA-1プロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュの作製2),東島らによるアクチンプロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュの作製3)などの研究が行われた。しかしながら,1990年代後半プラスミドDNAの微量注入によるトランスジェニックフィッシュの作製効率はとても低いものであった。ショウジョウバエにおけるP因子のようなトランスポゾンを用いた遺伝学的方法論がゼブラフィッシュにおいて開発されれば,その問題が克服され,研究が飛躍的に進むことは明らかであったが,そのような方法論は未開発であった。その理由は,当時脊椎動物において効率よく転移するトランスポゾンが見つかっていなかったことにあった。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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