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文献概要
特集 意識 Ⅰ.ヒトを対象とした実験的アプローチ
視覚的注意と意識
著者: 山岸典子1
所属機関: 1立命館大学グローバル教養学部
ページ範囲:P.23 - P.27
文献購入ページに移動 注意と意識は非常に似た機能であると言われている。注意研究の第一人者であるPosnerは,米国の心理学者William Jamesが1890年に書いた著名な注意に関する文(「だれでも注意を知っている。それは心の中で,明らかで鮮明に,同時にたくさんあるものや考えから1つを手に入れること」)を引用し1),注意が意識そのものだとは思わないが,意識を理解するためには注意に関係する脳のネットワークの解明が必要であると述べている2)。これは,生命の解明にはDNAの構造解明が必要なのと同じであると比喩している。このような注意が意識への入り口であるという考えは,注意による選択が意識に上るのに必要であるという意識の一つの理論へとつながってきている3)。さて,注意と意識は,機能的に,神経科学的にどのように似ており,どのように違うのだろうか。また,どのように関係し合っているのだろうか。
参考文献
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