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特集 意識 Ⅲ.理論的アプローチ
意識の数理的な理論はどのように実験的に検証されるべきか?
著者: 大泉匡史1
所属機関: 1東京大学大学院総合文化研究科
ページ範囲:P.59 - P.63
文献購入ページに移動 意識の科学的研究が本格的に始まったのは1990年代ごろからで,神経科学者を中心として,様々な心理物理実験,そして脳計測実験が行われ,意識という現象に対して多くの実験事実が集積された。しかしながら,いまだに意識の本質的な理解には程遠い状況である。この状況を打破するためには,実験事実の蓄積だけではなく,実験事実を統一的に説明し,更に新しい現象を予測する力のある理論が必要であると思われる。
現在,実験的事実と整合的で,有力な候補と考えられている理論が幾つかある。代表的な理論としては,Global Workspace Theory(GWT)1,2),Integrated Information Theory(IIT)3,4),Higher Order Thought Theory(HOT)5)などが挙げられる。しかしながら,現状,これらの理論の予測を実験的に検証する枠組みが確立されていない。特に,意識の質に関する理論的な予測をどのように検証すべきかに関しては,現状,検証する術を全く持っていないように思われる。本稿では,特に意識の質に対する数理的な理論をどのように検証すべきかという問題を議論する。
現在,実験的事実と整合的で,有力な候補と考えられている理論が幾つかある。代表的な理論としては,Global Workspace Theory(GWT)1,2),Integrated Information Theory(IIT)3,4),Higher Order Thought Theory(HOT)5)などが挙げられる。しかしながら,現状,これらの理論の予測を実験的に検証する枠組みが確立されていない。特に,意識の質に関する理論的な予測をどのように検証すべきかに関しては,現状,検証する術を全く持っていないように思われる。本稿では,特に意識の質に対する数理的な理論をどのように検証すべきかという問題を議論する。
参考文献
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