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雑誌目次

雑誌文献

生体の科学73巻2号

2022年04月発行

雑誌目次

特集 DNA修復による生体恒常性の維持

特集「DNA修復による生体恒常性の維持」 によせて

著者: 宮川清

ページ範囲:P.94 - P.94

 DNA修復の研究の歴史を振り返ってみると,放射線の生体への影響を筆頭として,DNA損傷が生体にどのような影響を与えるかを見いだすことに,20世紀では多くの時間が費やされてきた。すなわち,ヒトにおいては疫学研究を代表として,多様な生物における個体レベルでの表現型に関する記述的研究によって,DNA損傷の生物学的意義が次々と明らかにされてきたことになる。このような流れは,1970年代から大きく発展した分子生物学の恩恵を受けることによって,分子メカニズムの理解が飛躍的な進歩を遂げるようになり,2015年のノーベル化学賞の授賞の対象となったことからも明らかなように,生物学・医学における1つの確固たる分野として,DNA修復が広く認識されるようになった。その後,臨床医学においては,DNA修復機構を標的としたPARP阻害剤が,がん治療において用いられると共に,その適応条件となる相同組換え欠損を示す遺伝子検査が広く行われるようになり,今や医療現場でもDNA修復の用語が飛び交う時代となったのである。

 このように,DNA修復研究は着実に発展を遂げている一方,医療現場や一般社会から頻繁に聞こえてくることは,DNA修復は難しいということである。それは,生命科学に直接関わらない方からのご意見であるのみならず,生命科学に関わっている研究者も同様の印象を持たれることが多いように思われるが,その理由は何であろうか。私見ではあるが,物理的あるいは化学的に多様な原因によって生じるDNA損傷を出発点として,途中の生化学的反応が入り組んで進行し,最後の到達点として生命現象の変化が起こるという一連の過程の複雑性に起因しているのではと思われる。

Ⅰ.DNA修復の分子メカニズム

DNA修復の多様性と複雑性

著者: 宮川清

ページ範囲:P.95 - P.98

 DNA修復は,様々な原因によって生じたDNA損傷を修復することによって細胞の恒常性を維持するため,生体内のどの部位の細胞にとっても必要とされる機能である。われわれが生活している地球環境においては,DNA損傷をもたらす多くの原因があり,それに相応してDNAの化学的構造変化があるために,それらを修復する機構においても多様性は必然的に生じてくる。また,それらが作動する状況は,普遍的な場合もあれば,特殊な状況に限られることもあり,ダイナミックに変化する生体機能のなかでの各々の経路の位置づけを理解することも必要になる。そのため,個々の経路を各論として紹介する前に,DNA修復の多様性と複雑性がなぜ存在するのかを議論することによって,DNA修復の全体像を概観してみたい。

酸化DNA損傷とその修復機構

著者: 大野みずき ,   中津可道 ,   續輝久

ページ範囲:P.99 - P.104

 スーパーオキシド,過酸化水素,ヒドロキシラジカル,一重項酸素などの活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)は,細胞内でのエネルギー産生過程などの内的要因によって,また電離放射線や化学物質への曝露などによる外的要因によって生体内で常に発生している。ROSによってDNAが酸化され,様々な酸化損傷塩基が発生する。DNAの酸化損傷が効率的に修復または除去されないと突然変異や細胞死を引き起こす可能性があり,結果的に体細胞ではがんや老化に伴う変性疾病の原因となり,生殖細胞では遺伝性疾患の発生や不妊や流産などのリスクを増加させると考えられる。本稿では,酸化損傷塩基のなかでも,特に8-オキソグアニンの修復と突然変異の抑制機構について最近の知見と共に紹介する。なお,8-オキソグアニン以外の多数の酸化DNA損傷に関しては,優れた総説があるためそちらを参照されたい1,2)

ヌクレオチド除去修復反応の翻訳後修飾による高次調節

著者: 若杉光生 ,   松永司

ページ範囲:P.105 - P.109

 質量分析技術の発展と普及により,DNA修復研究においてもタンパク質の翻訳後修飾の解析が著しく進展し,多様な翻訳後修飾による調節とその重要性が明らかにされつつある。ヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair;NER)は,紫外線,環境変異原物質,あるいは活性酸素などにより生じる多様なDNA損傷に対応できる重要なDNA修復機構である。NERの基本反応は多段階から成り,DNA損傷の認識に引き続き,DNA損傷付近の巻き戻し,DNA損傷の両側での切断によりDNA損傷を含む約30ヌクレオチドが切り出され,生じたギャップをDNAポリメラーゼが埋め,最後にDNAリガーゼがDNA鎖を再連結することで完了する(図)。

 本稿では,転写と共役しないゲノム全体のNER経路に関与する翻訳後修飾に焦点を当て,現在までの解析で明らかにされてきたNERタンパク質の各種修飾反応とその意義(表)について概説する。

放射線によるDNA損傷の修復

著者: 松本義久

ページ範囲:P.110 - P.114

 放射線は物質を電離あるいは励起することによって作用を現す。生体を構成するあらゆる物質が放射線による電離あるいは励起を受けるが,放射線の様々な生体への影響はDNA損傷が主因であると考えられる。このことにはDNAの幾つかの特殊性が関わっていると考えられる。第一に,DNAは生命の設計図とも言われ,生体を維持するために必要な反応をつかさどるタンパク質の作り方を指令している。第二に,DNAは複製前には1細胞に1コピー,複製後も2コピーしか存在しない。第三に,DNAは極めて長い分子で,染色体DNA 1コピー当たり60億塩基対,総延長2mもあるため,どこかで損傷や切断を受けるリスクは非常に高い。第四に,DNAは遺伝情報物質として継承されるために細胞分裂の際に正確に複製,分配される必要があるが,損傷や切断はその大きな障害になる。

 放射線によって生じるDNA損傷には様々なものがある。X線1Gyを照射した場合,細胞1個当たり生じる塩基損傷が500個,DNA-タンパク質架橋が150個,一本鎖切断が1,000個,二本鎖切断(double strand break;DSB)が40個程度と言われている1)。DSBは数としては少ないが,生物効果に最も大きく寄与すると考えられている。本稿では特にDSB修復に焦点を当て,現状と課題を概説する。

DNA鎖間架橋の修復

著者: 石合正道

ページ範囲:P.115 - P.119

 DNA鎖間架橋(DNA interstrand cross-links;ICL)は二本鎖DNA間が共有結合でつながったDNA損傷であり,遺伝子の転写,DNA複製などを阻害するため,細胞にとって最も重篤である。事実,ICL修復に欠損があると,細菌や酵母では1個のICLで,哺乳類細胞では40個のICLで致死になると報告されている。その性質を利用して,臨床ではDNA架橋剤が抗がん剤として広く利用されている1-5)。ICL修復は単一経路でなく,他のDNA修復系に比べて分子レベルでの理解が遅れていたが,脊椎動物細胞のICL修復のメカニズム研究は,この10年ほどで著しく進展した。これは,2008年にアフリカツメガエル(Xenopus)卵抽出液無細胞DNA複製系を用いた生化学的解析が確立されたことが大きく寄与している5,6)。ここ数年のトピックを中心に紹介したい。

DNA複製と修復

著者: 増田雄司

ページ範囲:P.120 - P.123

 DNA複製は,内因性/外因性の様々な要因によって,常に遅延や中断の危険に曝されている。これらの要因は総じて複製ストレスと呼ばれ,DNA損傷を誘発する1)。複製ストレスに起因するDNA損傷は,発がんにおけるゲノム不安定性の原因として注目されている2)。本稿では,哺乳類の細胞に焦点を絞り,複製ストレスを引き起こす内因性/外因性の要因と防御機構,および複製ストレスによって引き起こされるゲノム不安定性のメカニズムについて概説する。

DNA損傷応答におけるヒストンダイナミクス

著者: 井倉毅

ページ範囲:P.124 - P.128

 クロマチンの構成タンパク質であるヒストンの役割は,DNA代謝反応に対して抑制的に働くバリアータンパク質からヒストンの化学修飾を介したエピジェネティック制御因子,更にはDNA代謝反応に積極的に関与するactive playerとしてなど,ここ数年で大きく変遷している。今回は,クロマチン構造とヒストンタンパク質に関する基本的な事柄については教科書あるいは他の文献に譲ることにし,本稿ではヒストンタンパク質の役割の変遷について,分子生物学の発展と共に,その時々に提唱されたクロマチン制御についてのモデルを振り返りながら,そのモデルの妥当性を検証し,今後のクロマチン生物学の展望について述べてみたい。

Ⅱ.DNA修復と疾患

遺伝性紫外線高感受性疾患

著者: 錦織千佳子

ページ範囲:P.129 - P.133

 生物は,最大の環境ストレスである紫外線から身を守るしくみを何重にも備えながら進化してきた。そのしくみの一つがDNA修復機構である。DNA修復機構に障害があると,その患者由来細胞が紫外線に高感受性を示す(細胞が死にやすい)だけでなく,紫外線曝露による高度な炎症など,健常者ではみられない反応がみられることがあり,診断のきっかけとなることも多い。本稿では,紫外線の生物影響と紫外線高感受性を示すDNA修復異常症について概説する。

放射線高感受性疾患

著者: 小林純也

ページ範囲:P.134 - P.137

 毛細血管拡張性運動失調症(ataxia telangiectasia;AT)は,リンパ腫を併発したAT患者の治療のために通常の治療線量のX線を照射した結果,結節性硬化症を併発したことによって,放射線高感受性であることが初めて報告された遺伝病である1)。その後,AT患者細胞が放射線高感受性と共に,染色体不安定性,放射線抵抗性DNA合成を示すことが報告され2),放射線細胞応答研究の有力な研究対象として注目され,その原因遺伝子ATMの同定,および機能解析が精力的に行われていった。また,長年のAT研究から様々なATバリアントが報告され,その代表例がナイミーヘン症候群(Nijmegen breakage syndrome;NBS)と毛細血管拡張性運動失調症類似疾患(ataxia- telangiectasia-like disorder;AT-LD)であり,放射線細胞応答,とりわけDNA二本鎖切断(DNA double strand break;DSB)損傷の修復機構の解明において,これら患者細胞が有効な研究材料として活用された。更にDSB修復の主要2機構の一つ,非相同末端結合(non-homologous end-joining;NHEJ)修復に機能する遺伝子に欠損を持つ遺伝性疾患においても放射線高感受性が報告されている。

 本稿では,これら代表的な放射線高感受性の遺伝性疾患について,細胞学的・臨床学的特徴,原因遺伝子とその機能について概説する。

早期老化における染色体不安定性

著者: 嶋本顕

ページ範囲:P.138 - P.142

 早老症ウェルナー症候群(Werner syndrome;WS)の原因遺伝子WRNが同定され1),この老化を抑制する遺伝子の研究が世界中で展開して25年が経過した。この間に多くの研究者がこの研究に参画し,WRNがコードするDNAヘリカーゼが実に様々なタンパク質と相互作用し,複製,修復,組換え,転写からヒストン修飾などに関与して,塩基レベルからクロマチンレベルにわたって染色体安定性を維持していることが明らかになった2,3)。これらの染色体イベントには主体となって機能する酵素/タンパク質が存在するが,WRNヘリカーゼはこれらのイベントの脇役/サポーターとしてfine-tunerの役割を果たしており,その機能異常は染色体不安定性を誘発してわずかな構造変化として染色体に蓄積し,全身性の細胞機能の破綻(タンパク質恒常性喪失,ミトコンドリア機能不全,分裂寿命の短縮,分化機能の低下など)を引き起こし,早期老化症状となって現れる3)

 一方,病態発症のメカニズムを解明するためには,がん細胞や線維芽細胞などの株化された細胞を用いた研究では限界があることから,WS患者細胞から樹立したiPS細胞を用いて,種々の組織細胞に分化誘導し,病態の再現と再生医療への応用を目指した研究も進められている4,5)。また,より厳密なメカニズム解析を行うため,ゲノム編集で変異WRN遺伝子を修正したiPS細胞が樹立されている6)

循環器におけるDNA修復の役割

著者: 野村征太郎

ページ範囲:P.143 - P.147

 心臓には基本的にがんができないことから,循環器疾患はDNA損傷やゲノム変異とは無縁と思われるかもしれないが,決してそうではない。本稿では,心筋細胞のDNA損傷の病的意義について筆者らの研究成果を中心に紹介すると共に,将来展望についても議論したい。

Ⅲ.生体恒常性維持におけるDNA損傷応答

DNA損傷応答とゲノム恒常性維持

著者: 鈴木啓司

ページ範囲:P.148 - P.153

 DNA損傷は様々な外的・内的要因によって誘発されるが,なかでもDNA二重(二本)鎖切断(double strand break;DSB)は,生物学的効果が顕著であるため,細胞には複数のDSB修復経路が存在するだけでなく,修復不可能なDSBが残存しても,それがゲノム恒常性の破綻につながらないように,細胞レベルでの応答を惹起するDNA損傷応答機構が存在する。本稿では,DSB生成からDNA損傷応答までの分子プロセスと,DNA損傷情報伝達による細胞応答,更には,老化様細胞死の誘導によるゲノム恒常性の維持機構について概説する。

低線量放射線の生体影響

著者: 田代聡 ,   衣笠泰葉

ページ範囲:P.154 - P.157

 東京電力福島第一原発事故発災以降,低線量放射線被曝の人体影響が注目されている。また,原爆被爆者では,最近“黒い雨”による内部被曝の影響が問題になっている。一方,公衆の放射線被曝として最も大きいものは医療放射線被曝であり,特にCT検査などの放射線診断による医療被曝の人体影響についての不安が増大している。本稿では,低線量放射線被曝の人体影響について,生物学的な手法を用いた解析を中心に概説する。

ライフステージとDNA損傷応答

著者: 今岡達彦

ページ範囲:P.158 - P.161

 生体は常に内因性および外因性のDNA損傷ストレスにさらされている。DNA損傷は細胞死,遺伝子変異,細胞老化などの原因となるため,DNA損傷に適切に応答し可能な限りの修復を行う多重のシステムが,生体には備わっている。DNA損傷応答あるいは修復に関わる遺伝子に関連する遺伝性疾患や欠損動物では,発生異常の表現型が観察されることが多い1)。近年では,加齢に関連するがんや認知症などの様々な疾患も,DNA損傷に関連することがわかってきている2)。このように,初期発生から老年期までの生体の年齢によってDNA損傷ストレスの意義は変化しており,それに対処する応答・修復系の役割や疾患との関連も,年齢によって異なると考えるのが自然である。本稿では,初期発生,発達期,老年期に着目して,DNA損傷応答の役割やその活性の違いについての知見を紹介する。

Ⅳ.がん治療における新たな方向性

がんの放射線治療抵抗性

著者: 髙橋樹 ,   神邊剛生 ,   白井友香理 ,   原田浩

ページ範囲:P.162 - P.167

 がん(悪性腫瘍)の放射線抵抗性/感受性は様々な要因の影響を受ける。例えば,がん種のほか,病理学的な組織型によって放射線抵抗性が異なることが知られている。また,1つの腫瘍組織内であっても個々のがん細胞の放射線抵抗性は不均一で,DNA損傷修復能,細胞周期,抗酸化能といった内的な要因のほか,それぞれのがん細胞を取り囲む間質細胞や,酸素・栄養環境などの外的な要因の影響を受けることが明らかになっている。本稿では,がんの放射線抵抗性/感受性を,そしてひいては放射線治療効果を左右する要因について概説する。

DNA損傷応答を標的としたがん治療

著者: 細谷紀子

ページ範囲:P.168 - P.172

 放射線治療や抗がん剤治療は,がん細胞のDNAに外的に二本鎖切断を付与することによって細胞死を引き起こすことを原理とする。二本鎖切断が修復されずに残存すれば細胞死が誘導されるが,細胞の持つDNA損傷応答機能によって修復できる場合には細胞は生き残る。がんにおいては,多様なDNA損傷応答の機能異常がみられる。この異常を逆手にとり,がんで特定のDNA損傷応答経路が欠損している場合に,代替で働いている別の経路を阻害することにより,がん細胞特異的に細胞死を誘導する治療法が実臨床で導入されている。また,特定の損傷応答経路を阻害してDNA損傷性のがん治療の効果を高める治療法も試みられてきた。本稿では,DNA損傷応答研究が切り拓いた新しいがん治療を振り返ると共に,今後克服すべき課題についても考察したい。

連載講座 ヒトを知るモデル動物としてのゼブラフィッシュ-4

多細胞システムを最適化し疾患発生を予防する“細胞品質管理機構”の理解

著者: 石谷太

ページ範囲:P.173 - P.178

 近年の技術革新により,多細胞システムの構築過程においてはエラーが生じた細胞が頻繁に出現し,それらが疾患発症の原因となり得ることが明らかになりつつある。一方で,出現したエラー細胞を感知・制御し,組織の状態を最適に回復させる“細胞品質管理機構”が存在することもわかってきている。本稿では,生体内の多細胞集団のコミュニケーション解析と疾患モデリングに適したゼブラフィッシュを活用した,細胞品質管理機構の研究を紹介する。

仮説と戦略

組織幹細胞の起源の探索

著者: 森田梨津子 ,   藤原裕展

ページ範囲:P.179 - P.184

 成体の組織に存在する組織幹細胞は,自分自身を複製する“自己複製能”と組織を構成する様々な細胞を生み出す“多分化能”を有し,組織や器官の恒常性を支えている。しかし,発生過程において,この“幹細胞”という特別な細胞がどこからどのようにして生み出されるのかについては,多くの器官で十分に解明されていない。本稿では,筆者らが得た知見を交えながら,組織幹細胞の発生起源とその誘導過程の解明に取り組む最近の知見と,その戦略を紹介する。

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目次

ページ範囲:P.93 - P.93

お知らせ/次号予告

ページ範囲:P.185 - P.185

財団だより

ページ範囲:P.186 - P.186

財団だより

ページ範囲:P.187 - P.187

あとがき

著者: 栗原裕基

ページ範囲:P.188 - P.188

 今回は宮川清先生をゲストエディターにお招きし,DNA修復の特集を企画していただきました。宮川先生は血液内科で臨床医学の研鑽を積まれたのち,広島大学原爆放射線医科学研究所を経て,現在東京大学医学系研究科で放射線感受性や発がんの基礎研究でご活躍されています。

 唯一の戦争被爆国として,更には未曾有の原発事故で放射線に対する社会的関心が高いなか,DNA損傷と修復機転,発がんのメカニズムなどの解明は極めて重要な課題です。更には,種の保存や進化を考えるうえでも,DNA修復はDNA複製と両輪をなす生物学的機構です。しかし,一方ではDNA修復は専門外の人(筆者を含め)にとっては難しいという印象が否めません。今回の特集では,そうした現状に対して,初学者にとってもこの分野の基礎から最先端までがよく理解できるような一冊に構想していただきました。そして,多方面にわたるDNA損傷と修復についての解説を通して,DNA修復が様々な地球環境の擾乱のなかで生物が命をつないでいくうえで根本的な機構だということを,改めて教えていただける特集になりました。

基本情報

生体の科学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1883-5503

印刷版ISSN 0370-9531

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