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文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻2号

2022年04月発行

文献概要

特集 DNA修復による生体恒常性の維持 Ⅰ.DNA修復の分子メカニズム

酸化DNA損傷とその修復機構

著者: 大野みずき1 中津可道1 續輝久2

所属機関: 1九州大学医学研究院生体制御学講座・基礎放射線医学分野 2九州大学

ページ範囲:P.99 - P.104

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 スーパーオキシド,過酸化水素,ヒドロキシラジカル,一重項酸素などの活性酸素種(reactive oxygen species;ROS)は,細胞内でのエネルギー産生過程などの内的要因によって,また電離放射線や化学物質への曝露などによる外的要因によって生体内で常に発生している。ROSによってDNAが酸化され,様々な酸化損傷塩基が発生する。DNAの酸化損傷が効率的に修復または除去されないと突然変異や細胞死を引き起こす可能性があり,結果的に体細胞ではがんや老化に伴う変性疾病の原因となり,生殖細胞では遺伝性疾患の発生や不妊や流産などのリスクを増加させると考えられる。本稿では,酸化損傷塩基のなかでも,特に8-オキソグアニンの修復と突然変異の抑制機構について最近の知見と共に紹介する。なお,8-オキソグアニン以外の多数の酸化DNA損傷に関しては,優れた総説があるためそちらを参照されたい1,2)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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