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文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻2号

2022年04月発行

特集 DNA修復による生体恒常性の維持

Ⅰ.DNA修復の分子メカニズム

DNA鎖間架橋の修復

著者: 石合正道1

所属機関: 1国立がん研究センター研究所RI実験施設

ページ範囲:P.115 - P.119

文献概要

 DNA鎖間架橋(DNA interstrand cross-links;ICL)は二本鎖DNA間が共有結合でつながったDNA損傷であり,遺伝子の転写,DNA複製などを阻害するため,細胞にとって最も重篤である。事実,ICL修復に欠損があると,細菌や酵母では1個のICLで,哺乳類細胞では40個のICLで致死になると報告されている。その性質を利用して,臨床ではDNA架橋剤が抗がん剤として広く利用されている1-5)。ICL修復は単一経路でなく,他のDNA修復系に比べて分子レベルでの理解が遅れていたが,脊椎動物細胞のICL修復のメカニズム研究は,この10年ほどで著しく進展した。これは,2008年にアフリカツメガエル(Xenopus)卵抽出液無細胞DNA複製系を用いた生化学的解析が確立されたことが大きく寄与している5,6)。ここ数年のトピックを中心に紹介したい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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