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特集 DNA修復による生体恒常性の維持 Ⅲ.生体恒常性維持におけるDNA損傷応答
ライフステージとDNA損傷応答
著者: 今岡達彦1
所属機関: 1量子科学技術研究開発機構放射線医学研究所
ページ範囲:P.158 - P.161
文献購入ページに移動 生体は常に内因性および外因性のDNA損傷ストレスにさらされている。DNA損傷は細胞死,遺伝子変異,細胞老化などの原因となるため,DNA損傷に適切に応答し可能な限りの修復を行う多重のシステムが,生体には備わっている。DNA損傷応答あるいは修復に関わる遺伝子に関連する遺伝性疾患や欠損動物では,発生異常の表現型が観察されることが多い1)。近年では,加齢に関連するがんや認知症などの様々な疾患も,DNA損傷に関連することがわかってきている2)。このように,初期発生から老年期までの生体の年齢によってDNA損傷ストレスの意義は変化しており,それに対処する応答・修復系の役割や疾患との関連も,年齢によって異なると考えるのが自然である。本稿では,初期発生,発達期,老年期に着目して,DNA損傷応答の役割やその活性の違いについての知見を紹介する。
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