icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻3号

2022年06月発行

文献概要

特集 リソソーム研究の新展開 Ⅲ.リソソームと疾患

リソソームとがん浸潤

著者: 南ジンミン1 吳秉修2 小野寺康仁3

所属機関: 1京都大学大学院生命科学研究科附属放射線生物研究センター 2台湾台北医学大学病院放射線治療科 3北海道大学大学院医学研究院医理工学グローバルセンター

ページ範囲:P.251 - P.255

文献購入ページに移動
 がんは日本人の死因の第1位となっており,治療技術の進歩により生存率は改善してきたが,浸潤・転移を伴う場合は根治に至らないケースも少なくない。がん細胞の浸潤は,転移の引き金にもなるため,がん患者の予後を決定する要因の一つと考えられている。がん浸潤には,浸潤突起の形成およびプロテアーゼなどによる細胞外マトリックスの分解と細胞外微小環境のリモデリングが密接に関係している。

 近年,がん研究において,様々なプロテアーゼを豊富に包含するリソソームに注目が集まってきている。本稿では,“がん細胞の浸潤と治療への抵抗性”におけるリソソームの役割とその分子メカニズムに関する最新の知見を紹介し,将来の展望について概説する。

参考文献

. 1793:746-754, 2009
. 55:671-687, 2016
. 68:9147-9156, 2008
. 1:741-746, 1995
. 45:764-776, 2012
. 11:632524, 2021
. 372:55-63, 1994
. 440:3-14, 2008
. 9:2682, 2018
10)Tokarev AA, Alfonso A, Segev N:Overview of Intracellular Compartments and Trafficking Pathways. In:Trafficking Inside Cells, Molecular Biology Intelligence Unit, pp.3-14. Springer, 2009
. 129:4329-4339, 2016
. 27:620, 2020
.56:396-407, 2021
. 24:31037-31052, 2016
. 20:1008-1022, 2018
. 439:39-46, 2018
. 1:e1500603, 2015
. 13:319-336, 2018
. 12:5069-5085, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?