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文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻3号

2022年06月発行

文献概要

特集 リソソーム研究の新展開 Ⅲ.リソソームと疾患

エンドリソソームを標的とする新たな炎症制御戦略

著者: 小林俊彦1 反町典子12

所属機関: 1東京大学医科学研究所国際ワクチンデザインセンターヒト免疫学 2東京大学医科学研究所感染免疫部門ワクチン科学分野

ページ範囲:P.261 - P.266

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 しばしば“garbage bag”にたとえられてきたリソソームは,細胞にとって不要な物質を分解して再利用するオルガネラとして長きにわたって認識されてきた1)。しかし近年,リソソームの概念は大きく拡張し,様々な研究領域にまたがって重要な研究対象となっている。とりわけ,栄養代謝とシグナル伝達という細胞の生存と機能発現において最も基本的かつ必須の制御機能をつかさどることで,リソソーム機能の変容は個体の恒常性と病態制御に大きなインパクトをもたらす。更に,多くの疾患においてその病態形成を担う免疫細胞では,他の細胞種とは異なる,ユニークなリソソーム制御機構が存在するため,免疫細胞のリソソームは安全域の広い疾患治療標的としても注目される。本稿では,免疫細胞の機能発現と炎症病態形成においてエンドソーム・リソソームシステムが果たす役割を解説し,リソソーム局在型アミノ酸トランスポーターの機能と治療標的としての大きな可能性を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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