文献詳細
文献概要
特集 形態形成の統合的理解 Ⅳ.多様な生物種に学ぶ
ホヤ胚の神経管閉鎖ジッパリングにおける力学機構
著者: 橋本秀彦1
所属機関: 1大阪大学大学院生命機能研究科1細胞神経生物学研究室
ページ範囲:P.353 - P.358
文献購入ページに移動 ホヤは脊索動物のなかで最も脊椎動物に近い海産無脊椎動物である。他の脊椎動物に比べ,ホヤ胚は組織や器官構築プロセスにおいて細胞数が非常に少ない。そのため,個々の細胞がいつ,どこで物理的な力を生成し,それらの力がどのように周辺細胞と統合され細胞集団レベルで形がつくられるかを解明することができる。このような力学的な細胞間相互作用は,多細胞の形づくりにおける自己組織化メカニズムの基盤であることから1),ホヤは自己組織化メカニズムを解明するうえで優れたモデル生物であると筆者は考えている。本稿では,多細胞の形づくりにおける自己組織化メカニズムの解明を目指し,これまで筆者が行ってきたホヤの神経管閉鎖ジッパリングをつかさどる細胞集団運動の力学機構について紹介する2)。
参考文献
. 22:245-265, 2021
. 32:241-255, 2015
. 339:1222002, 2013
. 109:243-270, 1990
. 273:245-248, 1996
. 17:2095-2104, 2007
.54:31-34, 2014
. 131:3021-3034, 2004
. 51:158-172, 2019
掲載誌情報