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増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
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著者: 岡野栄之12
所属機関: 1慶應義塾大学医学部生理学教室 2理化学研究所脳神経科学研究センターマーモセット神経構造研究チーム
ページ範囲:P.379 - P.379
文献概要
この革新脳研究では,神経細胞がどのように神経回路を形成し,どのように情報処理を行うことによって全体性の高い脳の機能を実現しているかについて,その全容を明らかにし,更に精神・神経疾患の克服につながるヒトの高次脳機能の解明のための基盤を構築してきました。革新脳の前半5年間は「マーモセット全脳回路に関するマクロレベルの構造と活動のマップを完成」を目標とした研究がオールジャパン体制で精力的に推進され,これまでマーモセット脳の遺伝子データベースの構築,脳画像データの3D化およびその動画のデータポータルでの公開,マーモセットの脳回路研究への応用可能な革新的イメージング技術の開発,ヒトと非ヒト霊長類の脳の相同神経回路の同定技術の開発など着実に成果が積み上がってきており,臨床応用への道筋が見えてきています。
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