生体の科学73巻5号

2022年10月発行

増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学 Ⅲ．ヒト疾患研究 a）精神疾患

iPS細胞技術を用いた統合失調症の病態解析

著者： 堀内泰江¹ 糸川昌成¹ 新井誠¹

所属機関： ¹東京都医学総合研究所統合失調症プロジェクト

ページ範囲：P.466 - P.467

　統合失調症の病因には，多くの遺伝的要因・環境要因の関与が示唆されているが，分子メカニズムはまだ明らかになっていない。統合失調症の病態解明と治療法開発において，疾患の異種性の回避と病態を反映した疾患モデルの確立は重要な鍵と考えられている。患者由来iPS細胞は，遺伝子の寄与を考慮した疾患モデルとして，病態解析，薬剤反応性の検討が可能であり，プレシジョンメディシンへ応用が期待される。

参考文献

. 388：86-97, 2016

. 604：502-508, 2022

. 16：358-360, 2011

. 109：3914-3929, 2021

. 6：68-82, 2021