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文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻6号

2022年12月発行

文献概要

特集 新組織学シリーズⅢ:血管とリンパ管 Ⅰ.血管・リンパ管研究の多様なアプローチ

血管の三次元構造可視化と組織・臓器ごとの多様性

著者: 髙橋智子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.507 - P.510

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 血管は,生体内のあらゆる組織の恒常性を維持するために,複雑な血管ネットワークを構築し,組織へ酸素や栄養素を供給する役割を果たす。既存の血管から新たな血管枝が分岐して血管網を形成する血管新生は,組織への酸素供給路を確保することから,脊椎動物が成長発達するうえで必須なプロセスである。近年,免疫組織化学的な技術などの進歩により,血液を運搬するというこれまでの血管の概念に加えて,臓器・組織における特異的な血管新生が臓器の形態形成や組織の修復など,様々な機能を制御していることが示唆されている。本稿では,血管のイメージング技術を用いて明らかになった,組織・臓器ごとの血管の多様性,特に身体のなかで最も硬い組織であることから,血管構造の可視化が困難とされていた歯の三次元血管構造の可視化に成功したことによる歯の発達と血管新生の関連について,筆者らのこれまでの研究成果を含め紹介する。

参考文献

. 144:115-127, 2017
. 159:584-596, 2014
. 507:323-328, 2104
. 532:380-384, 2016
. 219:e20211789, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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