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文献詳細

雑誌文献

生体の科学73巻6号

2022年12月発行

文献概要

特集 新組織学シリーズⅢ:血管とリンパ管 Ⅲ.血管・リンパ管と病態

アテローム血栓症の病理と発症機序

著者: 山下篤1 浅田祐士郎2

所属機関: 1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野 2宮崎市郡医師会病院病理診断科

ページ範囲:P.553 - P.558

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 日本人の死因における循環器疾患は,第2位の心疾患と第4位の脳血管疾患を合わせると第1位の悪性新生物に匹敵する割合を占める。代表的疾患である急性心筋梗塞や脳梗塞は突然発症するため,それらを予防するためには発生機序の解明が重要である。これらの虚血性疾患の多くが,動脈硬化巣(プラーク)を基盤として発症する“アテローム血栓症”と心原性塞栓による“血栓塞栓症”から成る。

 血栓は,①血管壁の変化,②血流の変化,③血液成分の変化,が関連して形成されるとされており,アテローム血栓症ではプラークの存在とその傷害(プラーク破綻)が重要である。プラーク破綻には,プラーク破裂,プラークびらん,結節性石灰化の破綻があり,プラーク破裂につながるプラークの不安定化については多くのことが明らかになってきている。プラークびらんの発生機序は諸説ある状況で,結節性石灰化の形成機序やその破綻のメカニズムは明らかではない。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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