文献詳細
特集 新組織学シリーズⅢ:血管とリンパ管
Ⅲ.血管・リンパ管と病態
文献概要
1981年以降,がん(悪性新生物)は日本人の死亡原因第1位の疾患である。がん患者死亡には腫瘍転移が強く影響するため,腫瘍転移の抑制は有効ながん治療となると考えられている。腫瘍転移は,血行性転移,リンパ行性転移,播種性転移の3種類があり,いずれの場合においてもがん細胞の浸潤が認められる。Transforming growth factor-β(TGF-β)は腫瘍組織に高濃度で存在し,浸潤に関わる上皮間葉転換を誘導するため,がん悪性化因子として注目されている。本稿では,TGF-βシグナルが関わる腫瘍リンパ管と転移について,新しい知見と共に紹介する。
参考文献
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