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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻1号

2023年02月発行

文献概要

特集 シナプス Ⅰ.シナプス発生:形成と成熟

単一遺伝子疾患からアプローチする神経発達障害

著者: 石田綾1

所属機関: 1理化学研究所脳神経科学研究センター

ページ範囲:P.23 - P.26

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 自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)を代表とする神経発達障害(neurodevelopmental disorder;NDD)には遺伝的背景が強く影響し,約1,000個の関連遺伝子が同定されている。その半数以上がシナプスの形成や機能に関わる分子をコードするため,NDDは“synaptopathy”と考えられるようになった。また近年,NDDでは定型発達児と比べ脳の領域間をつなぐlong-range connectivityが低下していることがMRI解析により示された。したがって,シナプス機能とlong-rangeの結合変化の関係を明らかにすることがNDDの病態の理解に向けて重要だと考えられる。本稿では,単一の遺伝子異常によって発症するNDDとして,Fragile X症候群とRett症候群の研究を紹介し,両者から見えてくるsynaptopathy,脳領域間結合と行動変容の関係について展望を述べる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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