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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻1号

2023年02月発行

文献概要

特集 シナプス Ⅲ.シナプス可塑性

シナプスとアクチンシグナル

著者: 實吉岳郎1 林康紀1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科システム神経薬理分野

ページ範囲:P.62 - P.66

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 神経科学における未解決課題の一つは,記憶がどのように脳に貯蔵されているかである。近年の解析手法,技術の進歩,特に光遺伝学の応用により,動物個体での記憶が脳内各所の神経回路網に貯蔵されていることがわかってきた。一方で,脳が記憶・学習を含む高次機能を発揮するには,神経回路網の可塑的変化が重要である。この可塑性をつかさどる最小単位は神経細胞をつなぐシナプスであり,シナプス自体も形態的,機能的に可塑性を持つ。記憶・学習に伴い神経回路の再編成,シナプスの再構築が起こるが,この可塑的変化をもたらす分子メカニズムは不明な点が多い。記憶・学習時の一過性の刺激はいかにして持続的な情報となり,シナプス・神経回路網の可塑的変化を伴う長期記憶として蓄えられるのだろうか。本稿では,シナプス可塑性におけるアクチン細胞骨格について,筆者らの研究成果を中心に最近の研究動向を概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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