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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻2号

2023年04月発行

特集 未病の科学

Ⅱ.未病の実験研究

シングルセルとゲノムの統合解析

著者: 枝廣龍哉12 岡田随象134

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学 2大阪大学大学院医学系研究科呼吸器・免疫内科学 3東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学 4理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チーム

ページ範囲:P.134 - P.137

文献概要

 シングルセル解析は,細胞群に含まれる情報を1細胞レベルでプロファイリングを行う技術である。従来の解析手法(バルク解析)では細胞集団全体を対象としていることにより,得られた結果は細胞集団の平均的状態を示していた。シングルセル解析を用いることで,組織の細胞内不均一性,細胞分化の方向性を解析することが可能であり,バルク解析と比較してより詳細かつ複雑な細胞分析が可能となった。シングルセル解析のなかでも,トランスクリプトーム解析(scRNA-seq)が最もよく普及しているが,scRNA-seqを用いた遺伝子多型の遺伝子発現量を関連づけるexpression quantitative trait locus(eQTL)解析が相次いで報告されている。本稿では,シングルセル解析,疾患感受性多型を同定する手法であるゲノムワイド関連解析(genome-wide association study;GWAS),eQTL解析について説明したうえで,COVID-19における実際の解析例を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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