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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻2号

2023年04月発行

文献概要

実験講座

近位依存性ビオチン標識技術を用いた空間的プロテオームの解読

著者: 髙野哲也12

所属機関: 1慶應義塾大学医学部生理学(神経生理)教室 2科学技術振興機構さきがけ

ページ範囲:P.180 - P.187

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 近位依存性ビオチン標識(proximity labeling;PL)技術は,標的タンパク質の近接タンパク質成分を標識し網羅的に解析する技術である。このPL技術は,従来の解析技術と比較して非常に高い検出能と空間解像度でタンパク質成分を解析できることから,近年ますます注目されている。本稿では,このPL技術を利用したタンパク質間相互作用,タンパク質-核酸相互作用,オルガネラ,コンパートメントのプロテオーム解析についての最前線を解説する。

 更に近年では,PL技術を発展させた空間的プロテオーム解析技術TurboID-surfaceとSplit- TurboIDが登場した。これらの技術により,生体組織から特定の細胞間相互作用を標的にした空間的プロテオームデータの取得が可能となり,生体内での細胞間コミュニケーションの新たな役割が見え始めている。本稿では,これらの筆者らが開発した脳内の空間的プロテオーム解析技術について最新の知見も紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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