icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻3号

2023年06月発行

文献概要

特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線 Ⅰ.分子レベル

メディエーター複合体による転写の新たな統合的制御

著者: 高橋秀尚1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科分子生物学分野

ページ範囲:P.199 - P.204

文献購入ページに移動
 メディエーター複合体は,RNAポリメラーゼⅡ(PolⅡ)による転写において必須の役割を果たす。当初,メディエーター複合体は転写因子の作用を下流の基本転写装置に伝達する役割を果たし,PolⅡの転写開始に重要な因子として発見された。ところが,様々な研究によって,メディエーター複合体は転写開始前のヒストン修飾や転写開始後の転写伸長や終結にも重要な役割を果たすことが明らかになった。更に,最近,筆者らの研究によってメディエーター複合体が核内構造体の構築にも関与する可能性が認められ,メディエーター複合体が核内の“場”において転写を統合的に制御する機構が明らかになってきた。

参考文献

. 146:92-104, 2011
. 6:5941, 2015
. 11:1063, 2020
. 13:2905, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?