icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻3号

2023年06月発行

文献概要

特集 クロマチンによる転写制御機構の最前線 Ⅲ.核内ドメインと転写

相分離モデルで理解する転写制御—核小体と転写コンデンセート

著者: 井手聖12 前島一博12

所属機関: 1国立遺伝学研究所 2総合研究大学院大学

ページ範囲:P.234 - P.239

文献購入ページに移動
概要 細胞核の中には,転写やスプライシングなど遺伝子発現プロセスと密接に関わる高次構造体が存在し,核内ドメインと言われている。最近,それらの多くが液-液相分離によって形成される“液滴”であることが提唱された。相分離は溶液が均一に混じらず,分子濃度が高い相と低い相の2つに分離する現象である。特定の分子を濃縮したり,他の分子を排除することで,生化学反応の時空間的な制御を可能とする。本稿では核内最大の液滴である核小体と遺伝子発現時における転写コンデンセートを通して,相分離が転写に果たす役割について概説する。

参考文献

. 30:39-58, 2014
. 81:1579-1585, 2021
. 22:165-182, 2021
. 324:1729-1732, 2009
. 108:4334-4339, 2011
. 165:1686-1697, 2016
. 67:282-293.e7, 2017
. 6:eabb5953, 2020
. 76:767-783.e11, 2019
. 581:209-214, 2020
. 284:1790-1795, 1999
. 361:eaar2555, 2018
. 221:e202104134, 2022
. 33:1619-1634, 2019
. 44:e2200043, 2022
. 175:1481-1491, 2018
. 218:1511-1530, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?