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解説
マクロファージに発現する嗅覚受容体と動脈硬化症
著者: 小檜山康司1
所属機関: 1東京大学医科学研究所感染・免疫部門ワクチン科学分野
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動 嗅覚は,匂いを知覚することで生存や繁殖,そして進化にも関与しており,極めて重要な五感の一つである。この匂いを感知するための中心的役割を担っているのが嗅覚受容体であり,ヒトでは約400種類,マウスでは1,000種類を超える嗅覚受容体を有し,1万種以上もの匂いを嗅ぎ分けることが可能とされている。嗅覚受容体は鼻腔内部の嗅上皮組織に存在する嗅神経細胞の繊毛を中心に発現しているため,鼻腔内に入ってきた匂い物質を感知することで,識別することができる。
一方で,嗅覚受容体の発現は嗅神経細胞に限局しておらず,精子や皮膚,そして腸管など様々な組織に発現していることが報告されており,匂いの知覚以外にも役割があることが示唆されてきた。本稿では,血管マクロファージに発現する異所的嗅覚受容体の動脈硬化症における役割を中心に解説する。
一方で,嗅覚受容体の発現は嗅神経細胞に限局しておらず,精子や皮膚,そして腸管など様々な組織に発現していることが報告されており,匂いの知覚以外にも役割があることが示唆されてきた。本稿では,血管マクロファージに発現する異所的嗅覚受容体の動脈硬化症における役割を中心に解説する。
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