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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻4号

2023年08月発行

文献概要

特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開

Raf遺伝子異常を標的とした治療

著者: 衣斐寛倫12

所属機関: 1愛知県がんセンターがん標的治療TR分野 2愛知県がんセンターゲノム医療センター

ページ範囲:P.295 - P.299

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 RAFタンパク質は,RASと並びMAPKシグナルの主要構成分子である。BRAF遺伝子変異は,RAS遺伝子変異より20年も遅れて発見されたが,阻害薬の開発が容易であったため臨床応用がスムーズに進んだ。現在,BRAF阻害薬は,V600E変異を有するメラノーマ,大腸がん,肺がん,甲状腺がんの治療薬として承認されている。MAPKには活性状態を一定にするため精緻なフィードバック機構が存在することが知られていたが,BRAF阻害薬の効果減弱や耐性化にフィードバック機構が関与することが明らかになり,シグナルの分子機構の理解が治療効果の改善につながることを示す好例とも言える。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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