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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻4号

2023年08月発行

文献概要

特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開

肺がんの新規ドライバー遺伝子“CLIP1-LTK

著者: 泉大樹1 松本慎吾1 葉清隆1 小林進2 後藤功一1

所属機関: 1国立がん研究センター東病院呼吸器内科 2国立がん研究センター先端医療開発センターゲノムトランスレーショナルリサーチ分野

ページ範囲:P.306 - P.311

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 非小細胞肺がんでは,様々なドライバー遺伝子を標的とした分子標的治療(個別化医療)が確立してきている。今回,筆者らは肺がん遺伝子スクリーニング基盤(LC-SCRUM-Asia)を通じて,新規ドライバー遺伝子であるCLIP1-LTK融合遺伝子を発見した。CLIP1-LTK融合遺伝子は非小細胞肺がんの0.4%に認められる遺伝子変化で,LTKキナーゼはALKと相同性が高く,CLIP1-LTK融合遺伝子陽性腫瘍に対してALK阻害剤,なかでもロルラチニブが有効であることが示された。今後,このLC-SCRUM-Asiaのスクリーニング基盤を活用して,LTK融合遺伝子陽性肺がんに対する治療開発および診断薬開発を行い,新たな個別化医療を確立していく予定である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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