icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻4号

2023年08月発行

文献概要

特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開

がん遺伝子ErbBとEGFRの発見は,がん治療に革命をもたらした

著者: 後藤典子1

所属機関: 1金沢大学がん進展制御研究所

ページ範囲:P.312 - P.315

文献購入ページに移動
 がん遺伝子ErbBは,トリ赤芽球白血病レトロウイルスにコードされているがん遺伝子として発見された。EGFR(epidermal growth factor receptor)は,細胞膜上にある受容体チロシンキナーゼであり,細胞外の増殖因子の結合により,シグナル伝達を起こす分子である。ErbBがEGFRの一部欠失した遺伝子であることがわかり,ヒトがんとの関わりについて発見当時より盛んに研究が行われ,肺がんや乳がんのパイオニア的な分子標的薬が開発された。これらが患者予後を著明に改善させたため,世界的にチロシンキナーゼやそのシグナル伝達を標的とした分子標的薬の開発が盛んに行われ,現在に至る。いったん治療に反応しても,がんは耐性を獲得するという問題があり,第二世代,第三世代の分子標的薬が開発され,実臨床で使われている。

参考文献

. 12:553-563, 2012
. 82:6497-6501, 1985
. 37:353-373, 2008
. 2:127-137, 2001
. 8:1816-1820, 1988
. 40:101-106, 2010
. 147:123-129, 2020
. 387:9-20, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら