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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻4号

2023年08月発行

文献概要

特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開

KIT遺伝子異常の発見はGIST診療を変えた

著者: 西田俊朗12

所属機関: 1地域医療機能推進機構大阪病院 2国立がん研究センター中央病院

ページ範囲:P.336 - P.339

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 消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)は,消化管壁内に発生するKITやDOG-1タンパク質を発現する紡錘型,あるいは類上皮型の腫瘍細胞から成る間葉系腫瘍である。臨床的に悪性の経過をたどるものは肉腫で,臨床的GISTの発症頻度は,人口10万人当たり1.0人/年程度である。食道から肛門までのすべての消化管の主に筋層(まれに粘膜下層)に発生し,胃が60-70%と最も多く,次に小腸(20-30%),大腸(主に直腸:5%),食道(5%以下),その他消化管外(5%以下)である1,2)。発症年齢の中央値は60歳代であるが,小児期にもまれに発症する。成人GISTの多くはKIT・PDGFRA遺伝子変異を持つGISTで,小児・AYA世代に発生するGISTにはSDH遺伝子変化を伴うGISTが多い1,2)

参考文献

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14)西田俊朗(研究代表者):令和2年厚生労働科学研究費補助金事業実績報告書(H29-希少がん対策-一般-014)
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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