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文献概要
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あとがき
著者: 栗原裕基
所属機関:
ページ範囲:P.384 - P.384
文献購入ページに移動 筆者が大学を卒業した約40年前は,遺伝子工学技術の確立と急速な進歩により新しい遺伝子が次々と発見された,まさに分子生物学の興隆期でした。この新しい生物学の潮流の中でその先導的役割を果たしていたのが,本特集企画のテーマである「オンコジーン研究」で,「オンコジーン」という言葉自体にさえ,若い研究者の卵を惹き付ける何か魔力のようなものを感じさせられたものでした。今回ゲストエディターをお願いした丸義朗先生は,そのような時代にまさに同世代若手の旗手としてこの分野に飛び込み,東京大学第三内科で故平井久丸先生とともに新しいオンコジーンEPH を発見され,その後もこの分野を牽引してこられた研究者です。丸先生に企画していただいて,オンコジーン研究の黎明期から最近の創薬などへの発展に至るまでの研究史を俯瞰できるとともに,オンコジーン研究が如何に時代をリードし,医学・生命科学の広い分野に影響を及ぼしてきたかがよくわかる特集になりました。
本特集号ではさらに,「充填知覚」という視覚系の重要な機能に関する研究で第1回生体の科学賞を受賞された小松英彦先生,発生生物学の重要課題であるモルフォゲン濃度勾配の形成機構を解明された田中庸介先生に,それぞれ解説記事を寄稿していただきました。それぞれに分野は異なりますが,生命現象の重要な機構に焦点を当てた大変興味深い内容です。ご執筆いただいたすべての先生方に,心より感謝申し上げます。(栗原裕基)
本特集号ではさらに,「充填知覚」という視覚系の重要な機能に関する研究で第1回生体の科学賞を受賞された小松英彦先生,発生生物学の重要課題であるモルフォゲン濃度勾配の形成機構を解明された田中庸介先生に,それぞれ解説記事を寄稿していただきました。それぞれに分野は異なりますが,生命現象の重要な機構に焦点を当てた大変興味深い内容です。ご執筆いただいたすべての先生方に,心より感謝申し上げます。(栗原裕基)
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