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増大特集 代謝 Ⅰ.代謝と臓器・疾患
ミトコンドリア心筋症を中心にした代謝と病態の関連
著者: 武田充人1
所属機関: 1北海道大学大学院医学研究院小児科学教室
ページ範囲:P.412 - P.413
文献購入ページに移動 心筋細胞は発生の過程で受動的拡散による解糖系代謝から冠循環による好気的代謝へと変化し,生後の好気的環境に備える。エネルギー基質はブドウ糖から脂肪酸へ変化し,ミトコンドリアへ①輸送され,②β酸化を受け,③酸化的リン酸化反応を経てATPが産生されている。このため,この経路に障害が及ぶと心筋症を来す。特に,③の障害はミトコンドリア心筋症の主病態であり,乳児期発症例では生後の好気的条件に適応できず死亡する例も多い。成人例は肥大型心筋症様心肥大を呈し,心筋病理ではミトコンドリアの著明増加や巨大ミトコンドリア,クリステ異常を認める。
参考文献
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