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増大特集 代謝 Ⅲ.代謝とがん
NASHおよびNASH関連肝がんにおける脂質代謝変化
著者: 中川勇人1
所属機関: 1三重大学大学院医学系研究科消化器内科学
ページ範囲:P.456 - P.457
文献購入ページに移動 がん細胞は周囲の環境に適応するため固有の代謝変化を生じており,“metabolic reprogramming”と呼ばれ,治療標的として注目されている。筆者らは,NASH関連肝がんの網羅的メタボローム解析から,lipid-richな周囲微小環境に適応するための特異的脂質代謝変化を同定した。また,一般にNASHにおいては脂質生合成が亢進していると考えられているが,その活性状態は病期によって大きく変化し,病態進展に様々な影響を与えていることが筆者らの研究によって明らかになった。本稿ではこれらの研究結果を中心に,NASHおよびNASH関連肝がんにおける脂質代謝変化について概説する。
参考文献
. 26:331-343, 2014
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