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増大特集 代謝 Ⅳ.代謝と免疫
スペルミジンとがん免疫
著者: 茶本健司1
所属機関: 1京都大学医学研究科がん免疫PDT研究講座
ページ範囲:P.472 - P.473
文献購入ページに移動 筆者らは,抗老化作用を示すスペルミジンが脂肪酸酸化を担うミトコンドリアタンパク質(MTP)に結合し,脂肪酸酸化を向上させることを発見した。老化T細胞ではスペルミジン濃度が低下しており,脂肪酸酸化能力が減弱していた。PD-1阻害抗体を用いたがん免疫治療モデルによってスペルミジンを併用すると,老化マウスのT細胞ミトコンドリアが回復し,老化により減弱した抗腫瘍効果が回復した。これらの結果は,老化によるスペルミジン減弱がT細胞ミトコンドリア機能の低下の原因の一つになっていることを示している。
参考文献
. 22:687-698, 2021
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掲載誌情報