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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻5号

2023年10月発行

増大特集 代謝

Ⅳ.代謝と免疫

スペルミジンとがん免疫

著者: 茶本健司1

所属機関: 1京都大学医学研究科がん免疫PDT研究講座

ページ範囲:P.472 - P.473

文献概要

 筆者らは,抗老化作用を示すスペルミジンが脂肪酸酸化を担うミトコンドリアタンパク質(MTP)に結合し,脂肪酸酸化を向上させることを発見した。老化T細胞ではスペルミジン濃度が低下しており,脂肪酸酸化能力が減弱していた。PD-1阻害抗体を用いたがん免疫治療モデルによってスペルミジンを併用すると,老化マウスのT細胞ミトコンドリアが回復し,老化により減弱した抗腫瘍効果が回復した。これらの結果は,老化によるスペルミジン減弱がT細胞ミトコンドリア機能の低下の原因の一つになっていることを示している。

参考文献

. 22:687-698, 2021
. 27:778-789, 2022
. 359:eaan2788, 2018
. 13:912279, 2022
. 378:eabj3510, 2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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