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文献詳細

雑誌文献

生体の科学74巻6号

2023年12月発行

特集 新組織学シリーズⅣ:骨・軟骨

Ⅲ.骨・軟骨疾患のメカニズム

骨粗鬆症の病態と治療

著者: 小俣康徳12 田中栄1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院整形外科 2東京大学医学部附属病院骨・軟骨再生医療講座

ページ範囲:P.560 - P.564

文献概要

 厚生労働省がまとめた簡易生命表によると,2022年の男女の平均寿命はそれぞれ81.1年,87.1年であり,世界保健機関(World Health Organization;WHO)の調査では日本は最長寿国である。社会の高齢化に伴い様々な疾病を抱えた高齢者が増え,骨粗鬆症はその代表的な疾患の一つである。骨粗鬆症は骨折のリスク因子であり,生体の運動機能低下のみならず心肺機能低下にもつながる全身性代謝性疾患である。骨折は特に高齢者に多く,日常生活動作(activities of daily living;ADL)や生活の質(quality of life;QOL)の低下につながるため,その予防や適切な治療が必要である。

 わが国では1,000万人を超える骨粗鬆症患者がいると推計されており1),高齢化が著しく進む現在,社会全体における骨粗鬆症に対する包括的な医療対策が求められている。骨粗鬆症を予防し,適切に治療することは運動器障害や疼痛を改善しQOLを高めることにもつながる。本稿では骨粗鬆症の病態について説明し,最新の治療薬や知見も交えて骨粗鬆症治療を概説する。

参考文献

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. 33:490-495, 2023

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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