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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻1号

2024年02月発行

文献概要

特集 脳と個性 Ⅰ.“個性”を理解する企て

“個性”とは何か—その定義の試み

著者: 原塑1

所属機関: 1東北大学大学院文学研究科

ページ範囲:P.3 - P.7

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 “個性”は,日常,様々な場面で目にする言葉であるが,それが何を意味しているのかを明確に理解することは難しい。そこで本稿では,まず個性の辞書的定義を確認する。その後,“個性”という語が印象的に用いられている美容広告において,それがどのような意味で使用されているかを考察する。そこで明らかになるのが,個性が,本当の自分を各人が探求し,それを外から見えるように表現したもののことだということである。本稿の後半,個性がリベラリズムにおいて重視されてきた概念であることを確認し,最後に,その現代的意義を明らかにする。

参考文献

1)Williams R:Keywords—A vocabulary of culture and society. Revised edition, Oxford University Press, New York, 1983(レイモンド・ウイリアムズ:椎名美智,越智博美,武田千秋,松井優子訳:完訳 キーワード辞典,平凡社,東京,2002)
2)カネボウ化粧品:KANEBO 5 ACTIONS. https://www.kanebo-global.com/jp/ja/brand_concept/our_action/(2023年9月29日確認)
3)SHISEIDO:https://www.shiseido.co.jp/cms/onlineshop/gb/i/portal/(2023年9月29日確認)
4)Nussbaum MC:Hiding from Humanity—Disgust, Shame, and the Law, Princeton University Press, Princeton and Oxford, 2004(マーサ・ヌスバウム:河野哲也監訳,木原弘行,石田京子,齋藤 瞳ほか訳:感情と法—現代アメリカ社会の政治的リベラリズム,慶應義塾大学出版会,東京,2010)
5)Freeden M:Liberalism—A Very Short Introduction, Oxford University Press, Oxford, 2015(マイケル・フリーデン:山岡龍一監訳,森 達也,寺尾範野訳:リベラリズムとは何か,ちくま学芸文庫,東京,2021)
6)Mill JS:On Liberty, Batoche Books, Kitchener, 2001(J. S. ミル:関口正司訳:自由論,岩波文庫,東京,2020)
7)Trilling L:Sincerity and Authenticity. Harvard University Press, Cambridge, Massachusetts, 1971(ライオネル・トリリング:野島秀勝訳:〈誠実〉と〈ほんもの〉—近代自我の形成と崩壊,法政大学出版局,東京,1989)
8)Heath J, Potter A:The Rebel Sell—Why the Culture Can't Be Jammed, HarperCollins, Toronto, 2004(ジョセフ・ヒース,アンドルー・ポター:栗原百代訳:反逆の神話〔新版〕—「反体制」はカネになる,ハヤカワ文庫NF,東京,2021)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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