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特集 脳と個性 Ⅰ.“個性”を理解する企て
障害と“個性”
著者: 熊谷晋一郎1
所属機関: 1東京大学先端科学技術研究センター
ページ範囲:P.13 - P.17
文献購入ページに移動 筆者は,生まれつき脳性まひ*1という障害を持っている。筆者が生まれた1970年代,脳性まひは,早期発見してすみやかに濃厚なリハビリ訓練を行えば,高い確率で改善する障害であるとみなされていた1)。筆者自身も物心つく前から,1回1時間半の訓練を1日4-5回行うのが日課であった。訓練は子ども心に,非常に痛く,つらいものであった。
その後,1980年代になると,訓練の長期的な効果について多くの研究報告がなされ,当初考えられていたような効果は存在しないことが次々と明らかになっていった2)。また,それと同時期,世界的に障害者の人権問題に関する意識が高まり,世界各地で同時多発的に勃興しつつあった障害者運動が互いに連携をし始め,大きな勢力となりつつあった。
その後,1980年代になると,訓練の長期的な効果について多くの研究報告がなされ,当初考えられていたような効果は存在しないことが次々と明らかになっていった2)。また,それと同時期,世界的に障害者の人権問題に関する意識が高まり,世界各地で同時多発的に勃興しつつあった障害者運動が互いに連携をし始め,大きな勢力となりつつあった。
参考文献
1)加藤直樹,茂木俊彦:障害児の心理学,青木書店,東京,1982
2)上田 敏:リハビリテーションを考える—障害者の全人間的復権,青木書店,東京,1983
3)星加良司:障害とは何か—ディスアビリティの社会理論に向けて,生活書院,東京,2007
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