文献詳細
特集 脳と個性
Ⅱ.“個性”の系統的理解
文献概要
ヒト遺伝学の中心的な課題は,表現型の個性や多様性の遺伝的基盤を理解することにある。近年のゲノム配列の読み取り技術の進歩により,遺伝性疾患のみならず生活習慣病などを含む様々な疾患の要因となるゲノム・遺伝子の変異が明らかになっている。しかし,われわれが普段から目にする“普通”な表現型のばらつき,つまり“ありふれた個性”の遺伝的基盤に関する研究や理解は疾患のそれに比べて遅れている。本稿では,疾患だけでなく,日常にみられる様々な“ありふれた個性”を生み出すゲノム・遺伝的基盤に関しても概観してみたい。
参考文献
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掲載誌情報