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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻1号

2024年02月発行

特集 脳と個性

Ⅲ.“個性”の実験的理解

エピゲノムと“個性”

著者: 渡邉紗羽1 中嶋秀行1 中島欽一1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院応用幹細胞医科学部門基盤幹細胞学分野

ページ範囲:P.57 - P.62

文献概要

 ヒトの個性はどのようにして決まるのだろうか。われわれヒトを含む生物は,遺伝子情報に基づいてその生命体を構成・維持している。しかし,ヒトの個性を決めるのは単に遺伝子情報だけではない。がん家系に生まれた人でも,お酒やたばこを控えるなど周囲の環境を改善することでがんにならずに済む人もいる。近年,われわれの体を構成する細胞には,DNAの配列変化を伴わずに,遺伝子発現の強弱あるいはオン/オフを制御するしくみが存在しており,その制御は環境要因によって動的に変化することが科学的に明らかになってきた。この制御を“エピジェネティクス”と呼び,遺伝子配列情報だけでは理解できない事象を理解するために非常に重要である。本稿ではエピジェネティクスの概要と,それが生み出すと考えられる個性について紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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