文献詳細
文献概要
特集 脳と個性 Ⅲ.“個性”の実験的理解
動物の鳴き声の“個性”
著者: 菅野康太12
所属機関: 1鹿児島大学法文学部人文学科心理学コース 2鹿児島大学大学院人文社会科学研究科
ページ範囲:P.69 - P.73
文献購入ページに移動本論に入る前に,マウスの超音波発声についての簡単な説明をここでしておきたい。マウスの超音波発声としては主に2種類が有名で2),1つは仔マウスが母や巣から隔離された際に発するストレスコール(図D),そしてもう1つが,成体雄が雌に発する求愛発声である(図A)。齧歯類の超音波発声はultrasonic vocalizations,略してUSVsと呼ばれ,マウス以外にもラットや他の齧歯類で広くみられる3,4)。単一の周波数ピークを持つトーン状の音声シグナルで,マウスでは50kHzから80kHz程度の間に主音がみられる。
参考文献
掲載誌情報