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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻2号

2024年04月発行

特集 生命現象を駆動する生体内金属動態の理解と展開

Ⅰ.細胞が金属種を選別して取り込むメカニズム

亜鉛トランスポーターZIPとZNTによる金属認識のメカニズム

著者: 福中彩子1 藤谷与士夫1

所属機関: 1群馬大学生体調節研究所

ページ範囲:P.101 - P.106

文献概要

 高等生物の細胞内亜鉛ホメオスタシスは,亜鉛トランスポーターZIPとZNT,更にはメタロチオネインにより制御されている。ZIPは14種類,ZNTは10種類機能しており,ZIPは細胞外あるいは細胞内小器官から細胞質へと亜鉛を輸送し,ZNTはこの逆向きに亜鉛を輸送する。近年,クライオ電子顕微鏡の発達により,次々と膜タンパク質の構造が明らかにされている。クライオ電子顕微鏡は,X線結晶解析や核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance;NMR)とは異なり,空間的な制限のないより天然に近い状態を解析できるため,金属イオンとタンパク質との構造変化の動的解析に優れている。このような構造解析やAlphaFold2などの機械学習,更には計算科学を統合した解析により,ZIPの基質特異性がどのように決定されているかも明らかにされつつある1)。本稿では,ZIPとZNTによる金属認識メカニズムに関して最新の知見を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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